ブダペストの国立歌劇場(オペラ座)やリスト音楽院の大ホールは音楽や芸術とともにその建物自体も歴史深く、また趣のある必見ポイントのひとつです。
しかもオペラやコンサートのチケットは日本の半分から3分の2程度!
素晴らしいホールでの素晴らしい演奏を、ぜひ楽しんでみてはいかがでしょう。
●シーズンは9月~6月
9月~6月は舞台やコンサートのシーズン。
オペラ座やリスト音楽院大ホールをはじめとするコンサートホールではオペラ、バレエ、クラシックコンサートなどが上演されています。
1884年に建てられたオペラ座はこけら落としには時の皇帝フランツ・ヨーゼフとエリザベート皇妃も訪れた、由緒ある、格式の高い建物。
シシィ専用のバルコニー席。オペラ座の見学ツアーで見ることができます。 |
舞台の奥行きの深さはメトロポリタン歌劇場に次ぐ、世界で2番目の規模です。
1200席のホールは舞台と客席との距離が近く感じられますので、舞台との一体感が楽しめます。
オペラ座。舞台の奥行きはニューヨークのメトロポリタン歌劇場に次ぐ規模です。 |
リスト音楽院は「ピアノの魔術師」フランツ・リストが1875年に設立した音楽学校で、大ホールは音楽学校附属の建物です。
リスト音楽院大ホール |
座席数は900席と、日本のオペラシティを二周りほど小さくした規模ですが、それゆえ音響は非常に臨場感があります。
2013年に大ホールの改修工事が終わり、ハンガリアン・アールヌーヴォーのホールに響く美しい音色が再び戻ってきました。
リスト音学院大ホールのパイプオルガン。アールヌーボーの衣装が実に豪華です。 |
リスト音楽院。 内部の装飾にはハンガリーの産んだジョルナイ陶器のタイルや玉などが施されています。 |
どちらも見事な内装共々芸術的建築としても非常に見応えのある建物ですが、「音楽」「舞台」を楽しむための建物である以上、やはり客席で演目を楽しんでこそ、その真髄が一層感じられるというもの。
しかも由緒ある一流の舞台でありながら、そのお値段はバレエ最高値5000円弱、オペラ7000円程度、リスト音楽院の最高値席も3000円弱と実にリーズナブルで、ごひいきの歌手や指揮者、ダンサーさんがいたら通い詰めたくなるような値段です。
芸術云々と堅苦しく考えず、まずはぜひ体験してみてください。
●チケットはオンラインで予約可能
チケットはオペラ座、リスト音楽院共々HPで予約ができます。
自分で好みの座席が選べ、決済はクレジットカード。
購入がすめばそのままPDFのチケットを自宅でプリントアウトできます。
オペラ座のPDFチケット。モノクロ印刷で十分です。 |
良席や人気の演目は早くに席が埋まってしまいますので、狙いの演目があるなど確実に行くと決まっているならオンラインで購入した方が現地で購入する時間や手間が省けます。
どちらのHPも英語サイトがあるので演目チェックもでき、オペラ座のサイトはすべて英語で決済が可能です。
リスト音楽院は予約サイトがハンガリー語のみですが、現在は頼まなくても「翻訳する?」と聞いてくるブラウザ(Google Chromeなど)もあります。
(筆者は日本語翻訳機能を使った状態で実際に購入してみましたが大丈夫でした)。
◆オペラ座
http://www.opera.hu/en
◆リスト音楽院
http://zeneakademia.hu/en/concert-centre
なお、PDFですからスマホやタブレットに落として持っていくこともできますが、電子機器は万一スイッチが入らない等々のトラブルが起こる可能性もありますので、やはりプリントアウトをして持っていくのが安心です。
●どの席を選ぶか
◆オペラ座
オペラ、バレエの場合はやはり正面ボックス席の最前列がおすすめ。
日本のホールでいう1階席(土間席)は傾斜があまりなく、ハンガリー人は総じて身体が大き目なので座高も高くなり、埋もれて見えづらいです。
右翼・左翼のバルコニーも正面寄りなら普通に見えますが、舞台寄りはやはり見切れます。
オペラ座の座席。 |
オーケストラの場合は演奏している人たちを正面で見たい等々のこだわりがない限り、予算に応じて好きな席を選んでいいでしょう。
◆リスト音楽院
こちらは音楽がメインになります。
オケを正面から見たい、歌手が出る演目や、ピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲等、ソリストが登場する演目で、顔・姿を正面から見たいという場合は、おすすめは正面2階の前列です。右翼左翼バルコニーの正面寄りも比較的大丈夫です。
リスト音楽院大ホールの2階バルコニー席。 |
2階バルコニーは比較的前列との段差があるので、前の人がよほど大きくない限りそれほど気にはなりません。
1階土間席はオペラ座同様やはり傾斜がゆるく、座高の高い方々の間で埋もれてしまう可能性があるかもしれません。
なお、リスト音楽院は音響がとても良く、バルコニーで聞いていても真横で演奏しているかのような臨場感があります。
席にこだわりがない場合は、予算に応じてお好きな席を選んでください。
●なにを着ていけばいいか
どちらもそんなに気張ったり、身構えたりする必要はありません。
席にもよりますが、良さげなレストランに行くときの服装で十分です。
夜、帰りに地下鉄で帰ることも考えると、逆に派手すぎると心配にもなりますし。
地元の人たちの中にはもちろん思い切りドレスアップをしている人もいますが、普通にワンピースやシャツにジャケットという方もいます。
オペラ座のエントランスホール。みなさん意外と気さくな服装ですね。 |
スニーカーにリュックという現地の人もなかにはいますが、自分が恥ずかしくない、居心地の悪い思いをしなければ大丈夫です。
リスト音楽院大ホールのホワイエ。 |
●当日は早めのディナーを
開演は演目にもよりますが、夜なら7時~7時半、時には8時。
始まる前に早めのディナーを取っていくことをおすすめします。
オペラ座のあるアンドラーシ通り、聖イシュトヴァーン大聖堂付近やデアーク広場等々、付近にはカフェやレストランが集まる地域があります。
またリスト広場はレストランとカフェがひしめいており、ここで時間まで食事をしてからホールに行くことができます。
リスト音楽院大ホールはリスト広場を抜けた先にあります。
ちなみにオペラ座の最寄り駅は地下鉄1号線の「Opera」、リスト音楽院大ホールはその隣の「Octogon」になります。
●会場では
日本のように玄関口でチケットをもぎるのではなく、階段下、席に入る前など、チケットチェックはかなり奥の方です。
sorが列、székが席番号ですが、係員に聞いてしまったほうが早いでしょう。
リスト音楽院大ホールのPDFチケット。 |
英語がわからないスタッフでも、その席まで連れて行ってくれることもあります。
バレエやオペラの場合、プログラムは係員が売り歩いていますので、声をかけて直接購入します。
幕間は20~30分くらい。
オペラ座のバルコニーやホワイエ(カフェ)でドリンクやサンドイッチ、軽食などをとることもできます。
ホワイエも非常に華麗な内装なので、ぜひ訪れてください。
バルコニーからはアンドラーシュ通りから街並みを眺めることができます。
リスト音楽院では会場の外に出て、向かいのカフェで1杯、なんて人もいます。
再入場にチケットを見せるということはあまりありませんが、ないとも言えませんので念のためチケットはなくさないように。
オペラ座、リスト音楽院共々トイレは狭くて数が少ないので、出遅れると混雑します。
食事をしたレストランでまずはすませておくのもいいでしょう。
開演5分前にベルがなると、お客さんが一斉に客席に戻り始めます。
お客さんの盛り上がり方や反応、拍手のリズムやカーテンコール、笑いのツボなど、ちょっと日本とは違った光景も見られるかもしれません。
文化の違いも楽しみながら、華麗なホールでの夜を楽しんでくださいね。